愛知県の三河湾で大型ヨットでのクルーズを体験してきました。常設の観光クルーズとはいえ本当にエンジンを切って帆走してくれます。風を受けて船体を斜めにしながら真っ直ぐ進んでいくところは帆船ならではで、めったに体験できない貴重なクルーズでした。
名古屋から横浜への道中に何かいいところはないかと探していて、たまたま見つけたのがCRUISING SERVICE(クルージングサービス)が運行しているニッポンチャレンジ号による三河湾クルーズ。
世界最高峰の国際ヨットレース「アメリカズカップ」に日本が参戦したときに、チームクルーを乗せてキャンペーンに使われた大型ヨット「ニッポンチャレンジ号」での帆走が体験できるとあって、見つけたときはかなりテンションが上がりました。
大型ヨットに乗れるところは多くないと思います。常設で運行していますし、周辺はラグーナテンボスというリゾート施設なので、1日遊ぶこともできる観光スポットでもあります。クルーズ好きな人は、ぜひ行ってみてください。
ニッポンチャレンジ号で帆走クルーズ体験
台風が迫ってきていましたが思いのほか天気に恵まれて助かりました。ニッポンチャレンジ号はラグーナテンボスのフェスティバルマーケット前から出航します。
こちらが乗せていただくニッポンチャレンジ号です。全長60フィート(18メートル)、マストの高さも18メートルという大型ヨットです。
乗り場のすぐ近くにチケット売り場があります。ヨットクルーズは大人2,500円。出航時間は天候や季節によって変更されるようなので、事前に電話確認するのが確実です。
私は12時半ころ到着したのですが、出航直後だったようで次の便が14時と案内されました。しかし、実際には14時半に出航が変更されてしまいました。行き当たりばったりで行くとこんなこともあるので、予定のある場合は事前に予約しておくのがおすすめです。
乗船です。スタッフさんが腰に巻いている赤いのが救命具で、乗船時に同じものを全員装着します。海に落ちた時には勝手に膨らんでくれるそうです。
ヨット後方の操舵席です。大きめな手荷物は出航前に預かってくれ、収納スペースに保管してくれます。水平を保って航走するわけではないので、常に持っていられない荷物は安全のためにも預けてしまうのが安心です。
約50分のクルーズですが、一部操舵席の周りを除いて席というものがありません。段差を利用して座ることになります。見た目ではわかりませんが、緊急用にトイレも完備されています。ただ、あくまで緊急用ということで、乗船前に必ずトイレには寄っておくのが無難です。
いざ出航。桟橋を離れると右側にラグナマリーナに停泊するクルーザーやヨットが間近に見えます。クルーズ好きには堪らないクルーザーがたくさん停泊しています。
ホテルラグーナヒルの前を通り、港の出口に向かいます。港の中は帆走ではなくエンジンを使って航行していきます。
防波堤の切れ目が港の出口です。港を出ると帆走に入るので、スタッフの人たちは帆を上げる準備にとりかかってます。
港を出たところでエンジンを切って展帆です。いい感じに風をはらんでますね。展帆する際、畳んでいた帆やロープの動きの邪魔にならない場所に乗客は移動させられます。ヨットを何も知らないお客を乗せるために造られているわけではないので、安全確保も大変です。
エンジンが轟音を発していたわけではありませんが、やはりエンジンを切ると静かです。心地いい波音の中をヨットが進んでいきます。
港から出ると多少波があります。思いのほか揺れは感じませんが、船体が斜めになっているので移動するには注意しなければなりません。
遠くを見ていると感じませんが、透明度が低くあまり水がきれいに思えないのは残念なところです。それでも運が良ければスナメリ(イルカの一種)に遭遇できるそうです。
左手には豊橋方面の工業地帯、右手には三河大島などの景観を眺めながら進んでいきます。帆走だけでもそれなりのスピード感があります。
ヨットがこれくらい傾いた状態で直進している状態です。帆の上げ下ろしや方向転換のとき以外は、スタッフさんが気さくに話しかけてくれます。写真を撮ってくれたりヨットのことや周辺の観光スポットについていろいろ教えてくれます。
ある程度沖に出たところで方向転換して戻ります。クルーズコースは沖に目印があるわけではないので、周遊というよりはラグーナテンボスから行って来いという感じになります。また帆やロープの向きが変わるので乗客はスタッフの指示に従って安全なところに移動します。
頃合いをみて一気に風上に向けて方向転換します。風を受けて帆走しているだけなので、スピードを落とさず方向転換するのもスタッフさんの腕の見せ所。
今まで風を受けて右側にあった前方のセールが、逆向きに風を捉え左側に移動します。
後方のメインセールは大きく横に張り出していきます。今まで横から受けていた風を後方から受ける形になりました。
同じような風向きなのに方向転換して間逆の方向に進む理屈を考えだすと、ヨットやウィンドサーフィンの経験がない私の頭はパニックになります。スムーズに操船するスタッフさんは「さすが!」の一言。他力本願ですがいい経験ができました。
ヨットの進む波音だけを聞きながら、静かでのんびりとしたクルージングは最高です。
港の入口には会員制ホテル「ラグーナベイコート」があります。ここに泊まれば三河湾が一望できるんだろうな~。そろそろ帆を畳み、港内は動力を使って桟橋まで戻ります。
港の中に入ると改めて波がほとんどないことに気付きます。防波堤の役割もすごいですね。
約50分間の大型ヨットクルーズが終了です。遊覧船と違い水面も近く眺めもいいですし、実際の帆走も体験できてかなり満足度の高いクルージングでした。
ニッポンチャレンジ号が出航するラグーナテンボスには、多くのアトラクションが楽しめる「ラグナシア」や天然温泉施設「ラグーナの湯」、話題のロボットホテル「変なホテル」などがあり、リゾート型テーマパークとして1日中遊べるので、ぜひヨットクルーズを体験しに行ってみてください。
三河湾ヨットクルーズ体験基本情報
ニッポンチャレンジ号クルーズ料金
– | 大人(中学生以上) | 子供(1歳~小学生) |
---|---|---|
デイクルーズ | 2,500円 | 1,200円 |
サンセットクルーズ | 2,700円 | 1,300円 |
※大人1人につき小学生未満1人無料
■蒲郡市民割引:10%OFF
蒲郡市民と同行者2名まで割引。免許証など住所の確認できるものが必要。
■団体割引:15%OFF
10名以上で摘要。
■福祉割引:20%OFF
本人と付添1名が割引摘要。障害者手帳または療育手帳が必要。
ニッポンチャレンジ号乗船場所
ニッポンチャレンジ号を運行するクルージングサービスの所在地が隣接するラグーナマリーナ内となっていますが、マリーナの方に行ってしまうとわかりにくくなってしまうので注意してください。
運行時間
定休日:木曜日
※7・8月は無休、1月~3月は冬季運休
大型ヨットクルーズの運行時間は決まっていません。季節や天候、予約状況などによって出航時間が変わります。おおよそですが、お昼ごろから夕方くらいまでの時間で、状況に応じて出航時間が決められるようです。
当日は桟橋近くのチケット売り場横の看板で出航時間を確認することができます。予約にはフレキシブルに対応してくれるようなので、なるべく予約を入れておくとスケジュールが立てやすそうです。
サンセットクルーズは土日祝日および夏休み期間中のみ運行です。日没時間に合わせて出航します。天候や海上の状態によってはクルーザーでの運行になることもあります。
CRUISING SERVICE(クルージングサービス)
TEL : 0533-95-0145
電話受付時間:10:00~17:00
アクセス
所在地:
愛知県蒲郡市海陽町2丁目2番地
電車:
JR東海道本線蒲郡駅から無料シャトルバスで15分
車:
・東名高速音羽蒲郡ICから約20分(12km)
・東名高速豊川ICから約35分(17km)
ラグーナテンボス・フェスティバルマーケットの駐車場が便利です。
最初の1時間無料。その後20分100円。
ニッポンチャレンジ号乗船の場合2時間無料のサービス券がもらえるので、合計3時間無料になります。