ひょんなことから大阪で予定が空いてしまったのでクルーズ観光できないかと思い調べてみると、意外にも多くの観光船が運行されてるんですね。食や名所だけでなく、大阪の新たな魅力の発見にもつながったクルーズ体験になりました。
せっかくなので多くの船に乗ろうと思い探していると、電車や多くのクルーズ船が一定価格で乗れるという「大阪周遊パス」を発見。これ、知らないと損です。
大阪周遊パスは主に大阪市域の阪急・阪神・京阪・近鉄・南海電車が乗り放題になるだけでなく、多くのクルーズ船を含む約50もの施設などが無料で利用できるという優れモノ。これさえ持っていれば大阪城の天守閣や天保山の大観覧車なども追加料金なしで利用できてしまいます。
ただ、今回はクルーズが目的なので、大阪周遊パスで利用できる船を中心に大阪観光を楽しんできました。
目次
事前に予定した大阪クルーズ
大阪周遊パスを利用すると無料で乗れる船が12コースあります。
1.PIRATES OF OSAKA
2.OSAKA WONDER CRUISE
3.とんぼりRiver JAZZ Boat
4.とんぼりリバークルーズ
5.中之島リバークルーズ
6.大川さくらクルーズ
7.NAKANOSHIMA Night View Cruise
8.大阪水上バス アクアライナー
9.大阪城御座船
10.帆船型観光船 サンタマリア デイクルーズ
11.帆船型観光船 サンタマリア トワイライトクルーズ
12.キャプテンライン
この中には季節限定運行のクルーズもありますし、おおよそ行動できる時間が10時~18時くらいという制限もあったので、ナイトクルーズも除外し予定を組んで行きました。また、サンタマリア号だけには絶対乗ると決めていたので、当初予定したクルーズは5つになりました。
11:00 帆船型観光船 サンタマリア デイクルーズ
13:00 とんぼりリバークルーズ
15:00 OSAKA WONDER CRUISE
16:10 大阪城御座船
17:00 大阪水上バス アクアライナー
とんぼりリバークルーズは30分ごとに運行しているのですが、混雑が激しいということで何回か待つつもりで時間の余裕を持っています。
中百舌鳥駅で大阪周遊パスを購入し出発
大阪周遊パスは乗り降り自由な無料エリアの範囲によっていくつか種類があります。購入しようとしているのは大阪エリア版の1日券。Osaka Metroや大阪シティバス、大阪市域の阪急・阪神・京阪・近鉄・南海電車で乗り降り自由になるフリー切符です。
梅田駅ではなく南海電鉄の白鷺駅が起点だったので、1駅隣の中百舌鳥駅に行き大阪周遊パスを購入しました。フリーエリアが大阪中心部から中百舌鳥駅までだったので、1駅分は実費での支払いです。
大阪エリア版の1日券は2,700円。南海電鉄の窓口で購入し、いざ出発。まず向かうのはOsaka Metroの大阪港駅なのですが、大阪の路線がいまいちよくわからないので駅員さんに聞いてみました。
いろいろ説明してくれたのですが、複数のルートから一番わかりやすいルートをチョイスして向かうことに。後でわかったことですが、南海電鉄の駅員さんに聞いたので南海電鉄を利用するルートしか教えてくれなかったようで、実は近くのOsaka Metroなかもず駅からのほうがわかりやすく、乗り換えも少なく済んだようです。まぁ、駅員さんとしては当然の案内ではありますけどね。
1日楽しめそうな天保山ハーバービレッジ
大阪港駅から5分ほど歩くと天保山ハーバービレッジに到着。 帆船型観光船サンタマリアはこの一角から乗船できます。クルーズのことしか頭になかったので、行ってビックリ。天保山ハーバービレッジだけでも1日遊べそうな施設が目白押し。
ジンベエザメの泳ぐ大水槽が目玉の「海遊館」や天保山マーケットプレース内の「レゴランド®・ディスカバリー・センター大阪」。天保山大観覧車やユニバーサルスタジオ近くのユニバーサルシティポートに向かうシャトル船「キャプテンライン」の乗船もできるんですね。
ちなみに大阪周遊パスを持っているとサンタマリア号だけでなく、レゴランド・大観覧車・キャプテンライン(往復)も無料で利用できますし、海遊館の入場料も100円引きになるので、天保山ハーバービレッジで1日遊ぶなら大阪周遊パスはかなりお得です。
レゴランド®・ディスカバリー・センター大阪
天保山大観覧車
シャトル船キャプテンライン
海遊館
帆船型観光船サンタマリア号デイクルーズ
サンタマリア号は海遊館西はとばから出港し、大阪港内を約45分でクルーズする帆船型観光船です。その昔、アメリカ大陸を発見したコロンブスが乗っていた旗艦サンタマリア号がモチーフになっていて、実物大の2倍の大きさがあるとのことです。
それほど大きい船というわけではないので、むしろこの半分くらいの大きさの船で未知の航海に出たかと思うと、コロンブスの偉業に感嘆してしまいます。
サンタマリア号の1Fは「コロンブスの部屋」という常設展示室になっていて、コロンブスにまつわる様々なことが紹介されています。
画像引用:http://suijo-bus.osaka/guide/santamaria/information.html
サンタマリア号はデイクルーズのほかに、夜景を楽しめるトワイライトクルーズも運行しています。トワイライトクルーズは約60分のクルーズになるので、少しコースも長くなります。
デイクルーズは海遊館西はとばを出港し、天保山大橋をくぐり左手にユニバーサルスタジオジャパンを眺めながら過ぎた辺りでUターン、大阪港の入口の方へ向かいます。右手に舞洲スポーツアイランドを眺めながら左手の大阪トレードセンター辺りで再度Uターンし、今度は港大橋の方へ向かっていき、港大橋をくぐった先でUターンし海遊館西はとばに戻ります。
見どころは、天保山大橋と港大橋をくぐるところですね。遠景ではよく目にすると思いますが、間近に見る橋の大きさや下からの見る橋は圧巻です。また、ユニバーサルシティや天保山ハーバービレッジ、舞洲などの目を引く構造物も多く、穏やかな大阪湾内のクルーズを楽しめました。
天保山大橋
ユニバーサルシティ
天保山ハーバービレッジ
港大橋
道頓堀川の橋めぐり『とんぼりリバークルーズ』
天保山を後にし向かうは大阪の観光名所道頓堀を流れる道頓堀川のクルーズ「とんぼりリバークルーズ」です。Osaka Metroを乗り継ぎなんば駅へ。そこから5分ほどでグリコの看板でお馴染みの戎橋に到着。
とんぼりリバークルーズは壁面に設置された観覧車・えびすタワーでも有名な戎橋近くのドン・キホーテ道頓堀店の目の前に船着き場があります。
かなり混み合うということで予定に余裕を持っていたのですが、不思議なくらい空いていてビックリ。すぐに乗船できることになりました。スタッフの人に聞くと、普段は海外からのお客さんでかなり混雑しているのですが、韓国のお客さんも多かったので…とのこと。社会情勢の影響を目の当たりにしました。
とんぼりリバークルーズは、道頓堀の街並みを川から眺め、道頓堀川に架かる9つの橋をガイドさんの解説付きで遊覧する周遊クルーズです。クルーズ時間は約20分で30分置きに出港しています。
画像引用:http://www.ipponmatsu.co.jp/cruise/tombori.html
乗り場の太左衛門橋船着場を出発し日本橋を過ぎたところで折り返します。そこから9つの橋を遊覧し浮庭橋を過ぎたところで折り返し太左衛門橋船着場に戻るコースです。
ガイドさんがマイクを持ち、それぞれの橋や街並みについて案内してくれます。外国の人も多いので、英語も交えての案内になります。
川幅が広くないので橋も大きくはありませんが、それぞれ特徴があり橋の裏側を間近に見ることができます。深里橋にいたっては欄干が低く、座っていても手が届きそうなほどの近さです。
いままで道頓堀に行っても乗ろうと思ったことすらありませんでしたが、あまり見慣れない角度から街を眺めることができ、意外にとんぼりクルーズも楽しむことができました。
>>道頓堀名物とんぼりリバークルーズで道頓堀川の橋めぐり観光
まさかの欠航?お笑いライブ初潜入
思いのほかすんなり「とんぼりリバークルーズ」に乗れてしまったのですが、次に乗る遊覧船の「大阪ワンダークルーズ」は運行本数が少ないので、どのみち予定通りの15:00まで待たなければなりません。
船着き場の確認だけしておこうと思い日本橋船着き場に行ってみると予約ができるということだったので、念のため予約だけしてカフェで休憩をすることにしました。1時間以上時間があったのでカフェでのんびりしていると、アーケードの屋根を叩く激しい雨音がしてきました。
15時近くなっても雨は止まず、さすがにこれでは欠航だろうなと思い電話で確認したところ、案の定欠航となってしまいました。しかし、最近の傾向からして一時的な激しい雨で、もし止めば再開もありうるかもしれないと考え、もうしばらく道頓堀界隈で待ってみることにしました。
そこで思いついたのが大阪周遊パス。クルーズ以外にも無料になる施設がたくさんあり、その中にお笑いライブがあったなと。たしか道頓堀だったような…。記憶力が功を奏し、「ZAZAお笑いライブ」を観ることにしました。
以前から大阪の文化とも言えるお笑いライブに興味もあったので、これはこれでいい機会になりました。芸人さんも「突然の雨でいつもよりお客さんが多い」と言っていましたが、私たち以外にも雨宿り的な観客がいたのは確かです。
出演は若手芸人さんで名前を知らない人だけでしたが、いろんな意味で楽しむことができました。こんな時にもサクッと利用できちゃう大阪周遊パス最高です。
お笑いライブを観終わり外に出ると、目論見通り雨は止んでました。OSAKA WONDER CRUISEの船着き場に行き運行状況を確認すると、しばらく「まだわからない」と言われましたが、最終的には運行決定。助かりました。
OSAKA WONDER CRUISE(大阪ワンダークルーズ)
雨の影響で予定が狂ってしまったので最終クルーズになったのがOSAKA WONDER CRUISE。この後に予定していたクルーズは時間的に間に合わないことが決定してしまいました。
しかし、なんとか運行してくれたOSAKA WONDER CRUISEさんに感謝。雨のせいか貸し切り状態でのクルーズになり、そんな私たちをもてなしてくれたのがお二人の船頭さん。宇戸さんとファヴァジュリオさん。
ファヴァジュリオさんはイタリアから来ているそうで、まだ拙い日本語ですが一生懸命案内をしてくれました。操船をしている宇戸さんは、私たちたった2人のクルーズだったからか写真などを撮っているのを見て船をいったん止めてくれたり、世間話や見どころの解説などしてくださり楽しませてくれました。
画像引用:https://wondercruise.osaka/
OSAKA WONDER CRUISEのクルーズコースは、道頓堀の日本橋船着場を出港し天満橋近くの八軒屋浜船着場までの片道クルーズ、もしくは逆の片道クルーズになります。
実際のところ景観はパッとしません。出港してすぐに左にカーブするところから土佐掘川に出るまではずっと高速の高架下を進むことになり、大阪市で最も古い本町橋がありますが、ビルの裏側やいくつかの橋くらいしか目につくものがありません。
しかし、このOSAKA WONDER CRUISEでしか体験できない特徴があります。それが東横掘川水門を通ること。太平洋とカリブ海を結ぶパナマ運河と同じ閘門(こうもん)を船に乗ったまま通過できます。
水門を開閉し水位を調整することで高さの違う場所でも船を通過させることができる閘門ですが、実体験できるところなんてそうそう無いはずです。これにはテンション上がりました。景観を度外視しても、この水門だけで乗る価値あります。
船は土佐堀川と堂島川に合流し大川に向かいます。目的地の八軒屋浜船着場を通り越すので、どこに向かうのかと思えば、川から大阪城をの遠景を眺められるスポットに案内してくれます。
私たちはいい眺めで喜びましたが宇戸さんいわく、逆コースの時は大阪城に行ってきた人が乗ることが多いので、わざわざこのスポットに来ても反応が薄くて残念とのこと。まぁ間近で見てきた人にとっては迫力に違いがあるかもしれませんが、川から眺める趣の違った大阪城もいいものですよ。
>>大阪ワンダークルーズは乗船必須 パナマ運河方式の水門は一見の価値あり
本来ナイトクルーズなども運行しているところもあるのですが、個人的な時間の関係で今回のクルーズ旅は終了です。大阪でクルーズだけでプランを立てる人は多くないかもしれませんが、大阪ワンダークルーズのように片道だけのクルーズもたくさんあるので、移動手段としてクルーズ船に乗るだけでも楽しめます。
本当に大阪周遊パスは格安だった
大阪周遊パスの大阪エリア版ありきで周った大阪クルーズでしたが、もし大阪周遊パスが無かった場合の費用を計算してみました。
摘要 | 金額 |
移動費 | 610円 |
サンタマリア | 1,600円 |
移動費 | 280円 |
とんぼりリバークルーズ | 900円 |
ZAZAお笑いライブ | 600円 |
OSAKA WONDER CRUISE | 1,800円 |
移動費 | 320円 |
合計 | 6,110円 |
合計で6,110円かかった計算になります。大阪エリア版の1日券が2,700円なので、やはり格安でかなりお得ですね。しかも10時から18時くらいまでしか周ってないので、時間的な余裕があればもっと楽しめます。
大阪エリア版には2日券もあり、3,600円なのでさらにお得です。午後に到着して翌日の夕方くらいまでしか滞在できないとしても、大阪周遊パスを検討してみる価値はありますね。